暮れになるとなんとなく目立つのが、あちこちで行われる募金活動である。歳末助け合い募金だとかチャリティコンサートだとか、まるで一年間の垢を落とすか のようにチャリティが活発化するのは、なかなか興味深い現象かも。
一方で、百式さんで紹介されてい たのだが、新年の抱負宣言とチャリティを絡めたサイトもあるそうだ。
31 left
http://www.31left.com/
「新年には○○をやる!できなかったらチャリティに○○払う!」と宣言できるサイト。
最初にこれを見たときは、自分へのペナルティとしてチャリティを行うというのはちょっとネガティブなのでは、と思った。
しかし、よくよく考えてみると、これは決してネガティブな考え方ではないのだろう。そもそもペナルティという考え方ではないのかもしれない。
というのも、参加者はみな「私は“○○の チャリティに”○○$寄付する」と宣言している。つまり、世の中にたくさんあるチャリティ活動のうち、自分はどれに賛同するかという明確な 意思表明を行っているのだ。一見するとペナルティのようにも思えるが、おそらくは自分自身の決意と、どのチャリティに協力するかという2つの意思表明をす る場所なのだろう。
さて、この「31 left」を読んで気づかされることのひとつが、どうも日本では特定のチャリティに賛同する意思表示が少ないな、ということ。私自身についてもそうなのだ が、社会全体がそんな傾向かなという気がしないでもない。
実際、赤い羽根募金に頻繁に参加する人はたくさんいても、その募金が具体的に何に使われているのか熟知している人は少ないのではないだろうか。少なくとも 私は今まで知らなかった。
もちろん、乳ガン啓蒙のためのピンクリボン――これはチャリティというよりも啓蒙活動だが――や、エイズ撲滅のためのプロダクト・レッド、貧困根絶のため のホワイトバンドなど、活動の目的が明確に伝わっているものもある。ホワイトバンドは芸能人やスポーツ選手の参加が話題を呼んだので、わりと知名度も上 がったと思われる。
誤解のないように書いておくと、決して赤い羽根募金の用途が不鮮明なわけではない。ただ知らないというだけで、実は赤い羽根共同募金のサイトには使い途のデー タベースもしっかり掲載されている。まあ、わざわざ「ご存じですか」なんてメッセージで目立つようにしてあるあたり、やはり知らない人が大半なの だろうが。
で、赤い羽根募金のサイトを見ていて新しく知ったことがひとつ。それは、ネット募金の枠が充実しているというこ とだ。イーバンク、ジャパンネット銀行、コンビニ、クレジットカード、プリペイドカード――じつに多彩である。コンビニやプリペイドカードがネット募金に なるかどうかはともかく、いろいろな手法が用意されているのだ。ネットバンクの口座間なら送金手数料はかからないし、少額の募金を気軽に行うには便利な仕 組みだろう。
ただし、ネットバンクというのは社会全体から見れば利用率はまだまだだろうし、敷居も決して低くはない。それに、そもそも赤い羽根のネット募金があること 自体、あまり知られていないのではないだろうか。
そうしたことを考えると、チャリティというのはどれもこれも、思いの外コストがかかっているように見える。ホ ワイトバンドプロジェクトに関するWIKIの説明では、300円のリストバンド代のうち、貧困国への援助に回されるのはわずか28円だという。
ホワイトバンドの内訳は極端な例にしても、コストはあちこちで発生しているはずだ。払込票の印刷や封筒、郵送などにかかる費用も莫迦にならないだろう。そ して、一人あたりの寄付金が少額であればあるほど、こうしたコストが占める割合は多くなってくる。つまり、言葉は悪くなるが「割に合わない行為」になって くるのだ。
金銭的なコストがかからない街頭募金にしたところで、人手と時間というリソースが要求される。このリソースもボランティアによって供給されるわけだが、そ れとて常時安定して供給されるわけではない。だからこそ、募金活動を行うこと自体がニュースにもなるのだろう。
こうした「チャリティにおけるコスト発生」に対する解答のひとつとなり得るのでは、と私が期待しているのが、いわゆる仮想通貨の存在である。もっと具体的 にいうならば、Second Lifeの中で用いられるLindenドル――現実の通貨と交換可能な仮想通貨の存在だ。
Second Lifeは実在の大企 業が進出していることでも話題になっているが、赤い羽根共同募金や経団 連1%クラブなど、各種のチャリティ団体が進出してもいいのではないだろうか。
Second Lifeの中で誰もが気軽に10Lindenドルでも100Lindenドルでも募金できるようにすればいい。各チャリティ団体がそれぞれの目的を明確に 掲げれば、それこそ31 leftのように、自分の賛同するチャリティへの募金が容易になる。
Second Lifeのユーザーは基本的に遊ぶため楽しむために集まっていて、ある程度の余裕がある。つまり、貧困にあえいでいたり切実な助けを求めている人はいない (と思う)。もちろん、現実における身体障害に苦しむ人が、新たな自己表現や社会参加の場としていることはあるだろう。そういう人であっても、リアルで障 害に対する支援は必要かもしれないが、少なくともSecond Life内においてはまったく対等の存在だろうし、そう接せられるべきだと思う。
まあそんなわけで、チャリティ活動を展開できる素地はあると思われる。で、これが何より大切なのだが、Lindenドルで行う限り、募金にはコストが一切発生 しない。それが国境を越えた募金であってもだ。最終的にLindenドルから現金へと交換する際にいくらかの手数料は発生するが、個々の募 金活動そのものには一切コストがかからないのである。これは仮想通貨の可能性として非常に有用なもののひとつだと思うのだが、さて実際にはどうなることだ ろうか。
もちろん、実現のためにクリアしなければならないことはある。たとえば、募金の騙り。まあ、これは街頭募金でもあることだが、Second Lifeならば逆に厳格な管理もできるのではないだろうか。
たとえば、営利企業のスポンサリング(あるいはこれも募金でまかなって)でチャリティ団体専用の島を作る。で、そこに入居できるのは、リアル世界において 厳格な審査を受けたチャリティ団体のみとするとか。
クリエイティブな活動にフォーカスされがちなSecond Lifeだが、残念ながら私にはそういったセンスは皆無(こ んなのできたらいいんだけどね)。ただ、こーゆーしょうもないアイデアでも、実現させればけっこうおもしろいのでは、と思えるところが Second Lifeの魅力だろう。
まあ、実際にはアカウントを取得したばかりで右も左も分からない状態で、あくまで「できたらいいなあ」という程度なんだけど。仮想世界だからこそ、リアル みたいな単純な金儲けに走らないで(このあたり、こーゆー考え方も よくわかります)、ただ楽しんだり、あるいはリ アルでは難しいお金の動きを実現したり、なんかそーゆーのやれればいいなと。
mediologicさ んのブログでガイドブック(英語版だけど)が出ることも紹介されていたし、日本語版のSLサービスが始まったら、ちょっと本気で取り組んでみよう かな。

